何の下書きを作るのかを限定する

案内文のたたき台、会議記録の整理、資料の項目抽出など、今回の使い道を具体的にします。出力をそのまま送信するのか、人が編集して使うのかでも、確認の方法が変わります。職場で認められたサービスと利用範囲を確認し、機密や個人情報を入力できると自己判断しないようにします。

IPAが掲載する研修成果「セキュリティ担当者のための生成AIセキュリティ」は、不正確な出力による業務品質への影響を課題に挙げています。出力の流暢さだけを根拠にせず、内容を確認する担当と、その人が参照できる原資料を用意します。

事実の確認と、表現の確認を分ける

説明のための例

説明用の例として、社外へ送るサービス案内の文案を考えます。料金、対象、期間、連絡先などは、正式な資料へ戻って照合します。読みやすい表現に直す担当だけでは、サービス条件の正しさまで判断できない場合があります。業務内容を知る人へ確認する箇所を分けます。

要約では、書かれている内容だけでなく、重要な条件が抜けていないかも原文と比べます。引用や出典が示されていても、実際にその資料が存在し、該当する説明があるかを確かめます。別のAIへ同じ質問をして一致したことだけを、原資料での確認の代わりにはしません。

確認できない部分は、もっともらしい内容で埋めず保留します。法律、医療、採用の判断など影響の大きい仕事では、必要な専門性や社内の承認経路を確認します。一般的な文章の確認担当を置いたことだけで、あらゆる用途を認めた扱いにはしません。

どの版を使ったか、後からたどれるように

記録には、用途、使用したサービス、作成日、参照した資料、確認担当、修正点を必要な範囲で残します。入力や出力にも秘密情報が含まれ得るため、全内容を無制限に共有するのではなく、社内で決めた保管先と閲覧範囲に合わせます。

複数回生成した場合は、実際に採用した版が分かるようにします。確認後に文案が変わったら、どの部分を再確認するかを決めます。確認済みの古い版と、未確認の新しい版が入れ替わっていないかを、送付や公開の前に読み返してください。

確認にかかった仕事も振り返る

使った後は、作成時間だけでなく、照合や修正に必要だった時間と、判断できなかった点を振り返ります。次に使う範囲を変えるか、原資料の渡し方を直すかを考えます。AIを使ったかどうかより、誰がどの内容に責任を持って仕事へ渡したかを説明できる状態が大切です。